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福祉とお金。

こんにちは。

車椅子ライターのmaiです。

今回は福祉用具を揃えたり、住宅改修をしたりと何かとかかってくるお金をテーマにしたいと思います。

障害者は年金がもらえたり、車椅子などの必要な用具は補助も出るし、必要なお金は補助金が出るから楽でしょ?

ってよく言われます。

よく言われますが、残念ながら全然そんなことはなく、むしろ出て行くお金が多いんです。

特に、あまり人に頼らず自立した生活を送りたい、QOLを考えて用具選びは妥協したくない、病気の進行で障害者手帳の等級と現状が違う・・・などの場合は必要なものは補助金で賄うことはまずできません。

生活に欠かせないものですから、補助金内で収めるよりも、自分に合ったものを選びたいですよね。そのためには、障害者本人がある程度自身でお金を稼ぎ、自分に投資ができるように、仕事ができる機会を増やして行くことが大切だと思います。全て補助金に頼るのではキリがありませんのでやはりある程度の限度額は仕方ないと思うのです。

でも、その限度額で最低限の生活は保証されるのでしょうか?

住宅改修にかかる費用

障害が後天的な場合であったり、賃貸住宅たったりする場合、住んでいる自宅がバリアフリー仕様でないことが多く、生活ができるように住宅を改修をしなければなりません。

車椅子の場合、玄関周りのスロープ、トイレやお風呂に手すりの設置、部屋が2階以上の場合は1階に移動する・・・などがあります。

障害者が住める環境にするためにやらなければならないことの中には、工事が必要でお金がかかるもの、家具の移動などお金をかけずにできるものがありますが、お金をかけないものだけで住みやすい環境ができる場合はある程度バリアフリーに対応していた住宅でない限り厳しいでしょう。

このように、既存の住宅で障害者が暮らすためにはお金をかけて改修する必要があるため、住宅改修の補助金を受けられる制度があります。

住んでいる自治体によって異なりますが、上限内で行える改修はせいぜい1箇所です。

お風呂の改修、玄関の改修、トイレの改修・・・

全て生活に必要な部分ですが、全てを行おうとすると補助金内ではまずできないので、自費で行う必要があります。

この住宅改修費用を抑えるためには、新築時に将来バリアフリーに対応できるように設計することです。住宅改修の範囲では、狭い廊下を広げることはできませんし、トイレやお風呂の大きさを広げることや、部屋の段差をなくすことは難しいです。

住宅の造りによっては、住宅改修を行っても住みにくいことは十分にあり得えます。

廊下の幅やフローリングの素材など、後から変えることが難しい部分は最初から設計に組み込んで、手すりの設置など必要な時に後から付け足せるものは必要になった時につける、このようにすれば住宅改修の費用を抑えることができます。

福祉用具の購入

お風呂で利用するシャワーチェア、玄関の段差が大きい場合に設置する昇降機など、住宅改修だけでなく福祉用具も生活に必要になってきます。

高齢者の場合は介護保険を使ってレンタルになりますが、障害の場合は基本購入になります。

この購入費用にも限度額はありますが補助金が出ます。

しかし、一度この補助を使用するとしばらく次に利用できないので、利用後に新たに必要になった用具は自費で購入することになります。

車椅子等補助具の購入

車椅子利用者にとって車椅子は足ですし、毎日利用するものです。車椅子も障害の場合は購入になりますが、限度額はありますが補助金があります。

しかし、身体障害者手帳を貰えない傷病の場合は補助金が出ないので、全額自費購入になります。

車椅子の値段はすごく幅広く、中には自走式車椅子でも100万円を超えるようなものもあります。

補助金内で買える車椅子は、大体各社エントリーモデルになります。

エントリーモデルでも、希望のカラーやカスタムをしていくと補助金内におさまらない場合も多いです。

毎日使うものなので、車椅子が体に合っていないと動作に支障が出ます、そんな生活が長く続くと2時障害を引き起こしてしまう可能性もあるので、色々なモデルを試乗して、体に合ったものを選ぶことが必要になります。

単独行動をしたい人は特に、車椅子の動きは大事になります。

QOLを考えると、どうしても自己負担は大きくなってしまうんですね。

電動車椅子の場合も、必要な機能が全て補助金の許可が降りるかわかりません。はみ出した分は自費になりますが、電動車椅子は自走式車椅子よりも高額なため、負担はさらに大きくなります。

また、自走式である程度は動けるけど坂道がきつかったり小回りが難しいなどで外出に不安は残るけど、電動車椅子の許可は降りないという場合もあります。

許可が降りなければ外出に電動が必要な場合でも全て自費で購入することになります。

自動車の購入

障害者が車に乗るためには、福祉車両が必要です。

自身で運転をする場合には障害に合った運転補助装置を取り付け運転します。

介助者が運転する場合も、障害者が車に乗りやすかったり、車椅子の詰め込みがしやすいようにするなどの改造があります。

車椅子利用者本人が運転の場合、足に障害があるので足でブレーキ・アクセルを踏めません。そのため、ブレーキ・アクセルを手で行う手動運転装置が必要になります。

この装置の補助金は、自治体によって異なります。大体この装置は20万程度(機能によってもっと高額な場合があります)、補助金は世帯年収により最高10万程度までです。

運転に確実な手動運転装置だけでも補助金でまかなえないんですね。

さらに、補助金の金額は世帯年収によるため、本人が無収入でも家族が高収入の場合は補助が全く出ない場合もあります。

手動運転装置があれば運転をすることはできますが、車椅子利用者が単独で車を運転する場合は車椅子の詰め込みも行わなければなりません。

また、車椅子から車への乗り移りも必要です。

このような動作がスムーズに行えるような装置や、足が動く人の場合間違って足でブレーキアクセルを操作しないようにする装置、運転席に体幹を保持できるようにシートに取り付けるものなど、人によっては手動運転装置の他に様々なものが必要になりますが、これらは基本自費で用意しなければなりません。

補助金は必要最低限以下しか出ない

上記のものは一例にしか過ぎません。

障害者が快適に生活をするためには、結構お金がかかるんですね・・・

補助金が出ると言っても、その申請が大変だったり、順序を間違えてしまうと貰えなかったりするので、福祉の相談員など、専門家と一緒に手続きを進めていくことが求められます。

そして、当たり前ですが補助金で全てを賄うことはできません。

しかし、毎日の生活のことですから、自分にあった用具を正しく使用しなければなりません。仕事や旅行など、人生を楽しむためにはより良い用具を選択することが求められます。

補助金内だけでやりくりしようとすると、生活はできますが不便が生じたり、家族の手助けが必要になる場面が増えたりして、本人はもちろん同居家族の負担も増えてしまいます。

また、負担をかけることで二次障害を招くことにもなりかねません。

全てにお金をかけることはできませんが、出せるところは出してQOLを上げていくことが大切です。

最近は技術の発達により、素晴らしい福祉用具がどんどん開発されていますが、まだまだ金額が高く、一般に普及するのはこれからと言ったところでしょう。

しかし、大量生産が行われるようなれば高機能な福祉用具がお手頃価格になるかもしれません。

未来はAIを搭載した車椅子が当たり前に使えて、自動運転で誰でも車に乗れる時代がくるかもしれません。

まだそんな時代は到来していないので、必要な用具が揃えられるように、補助金金額の見直しや、障害者が働いて自費で必要なものを購入できるようになると良いなぁと思います。


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