車椅子使用者の就職活動
こんにちは。
車椅子ライターのmaiです。
車椅子利用者が就職をする場合、就職先はバリアフリー設備が整っていないといけません。
通路の幅や多目的トイレの設置、エレベーター完備、入り口のスロープ、駐車場の確保・・・
ざっとこんなところが挙げられますが、これだけの設備が整っている事業所って少ないと思います。
車椅子でも健常者と同じように社会に出て活躍している人もたくさんいらっしゃいますが、就職活動で苦労している車椅子利用者も実はとても多いんです。
障害者雇用率が法律で定められているが・・・
一定の人数以上の事業所では、所定の%の人数の障害者を雇用しなければなりません。
このパーセンテージは、実は段階的に引き上げられています。
だからと言って障害者の就職が今後どんどん楽になっていくかというと実はそうでもないです。
医療の発達により、障害者は今後も増え続けていくでしょう。今まで社会復帰が難しかった病気でも、後遺症として障害が残ってしまったとしても社会復帰できるレベルに回復するというケースは増えていきます。
また、ストレス社会により精神障害者は増加していますし、大人になってから発達障害が発覚するケースが増えており、障害者の人口も年々増加しているんです。
現在の日本では、人口の約6%の人が何らかの障害を抱えているのです。(平成25年度障害者白書 – 内閣府より)
障害者の法定雇用率は、民間で現在2.2%です。
従業員が45.5人以上いる事業所が対象ですので、人数の少ない会社では雇用義務がありません。
日本は中小企業が多いですから、雇用義務がない会社がたくさんあります。
6%の障害者全てが就職を希望していたり、就職できる状況ではありませんが、人数に対して法律で定められた雇用率では明らかに少ない数字であることは確かですよね。
障害者の就職活動
法定雇用率は、全ての障害の方が対象です。
障害者が就職活動をするには、新卒の場合は学校からの紹介もありますが、一般的にハローワークの障害者雇用窓口を利用したり、障害者用の求人サイトを利用したりします。
ハローワークの求人は、ハローワークで閲覧できるほか、ハローワークに求人登録していると全てではありませんがインターネットで情報を閲覧することができます。
気になる求人があればハローワークの窓口へ行き、紹介状を発行してもらい、書類審査や面接・・・といった流れになります。
基本的な流れは一般と同じですが、障害の場合は窓口が別になっているので、初回は受付で確認すると良いでしょう。
求人サイトの場合は、利用方法は一般の求人サイトとほぼ変わりありませんが、通常の求人サイトにはない障害への配慮項目がある場合が多いです。
車椅子就業可能であったり、透析等の通院への配慮、電話応対への配慮などがあります。
ご自身の障害にあった項目をチェックして求人を探すことで、マッチングミスが少なくなります。
このように、就職活動の方法は一般とほぼ変わりありませんが、求人数自体が少ない中から自分の障害にあったものを探さなければならないため、数が非常に少なくなってしまいます。
ちなみに、ある求人サイトで私の住んでいる地域で車椅子就業可能、業種や職種は不問で検索をしたところ、2件しかありませんでした。
ハローワーク主催の合同面接会には50社以上の会社がきておりましたが、その中から立ち仕事や現場仕事など、車椅子では難しい業種を除いて面接の予約希望を出したところ、設備の関係で難しいという理由で数件しか面接までもたどり着けませんでした。
求人で障害を指定してはいけないが・・・
障害者を雇う時に、障害を理由に拒否をすることはいけないことになっています。
身体障害者が欲しいから知的障害の人は応募の時点で却下とか、精神障害者が欲しいから身体障害者は却下とか、やってはいけないことになっています。
あくまで障害の内容ではなく、その人物の能力や適性を見て採否を決めるということになっています。
そうはいっても雇う側もある程度どんな障害の人を受け入れるかは想定しています。
ノルマが厳しくストレスの多めの職場では精神障害者は難しい場合があるでしょうし、清掃業務などは身体障害の場合できない部分が多い場合もあるので、ある程度は仕方ない部分もあるでしょう。
しかし、それはこの障害の人はこんな職種、、、とある程度型にはめられている気がするのです。
障害名は同じでも、人間としては全く違うので当然得意分野もやりたいことも得意な仕事も違います。でも、障害によってある程度区分けされている部分があるため、本人の能力的には問題がなくても、障害を理由に諦めなければならないことが多いのです。
車椅子ユーザーの場合
これまでは障害者全体の就職について大まかにお話ししてきましたが、車椅子の人はどうでしょうか?
車椅子の場合業種や職種の前にまず職場の設備が整っているかが大切になります。
車椅子利用でもある程度歩行ができる場合はトイレがなくても一般の場所を使用できるという肩もいらっしゃますが、基本的には多目的トイレが必要です。
また、事務所内が車椅子が通れる幅が確保されているか、2階以上の場合エレベーターが完備されているか、マイカー通勤の場合は車椅子駐車場は近隣で確保できるか、電車、バスの場合は最寄りの駅・停留所から職場までの道のりのバリアの確認も必要です。
この時点でかなり職場が限られてしまいます。
ここから希望の職種、業種、今までの経験、希望給与などで探さなくてはならないのです。
都市部ではまだ見つけられるかもしれませんが、田舎ではほとんどありません。
残念ながらかなり厳しい状況と言えるでしょう。
もちろん、それでも様々な職場で活躍している車椅子ユーザーはいらっしゃいます。
最近は在宅ワークも一般的になりつつあるので、通勤問題も解消されつつあります。
でも、全ての人が在宅の仕事ができるとは限りません。安定した正社員という形にこだわるのであれば今はまだ通勤という会社が多いです。
起業をしたりその仕事、車椅子でもできるの?っていうような職についたりできている車椅子ユーザーはごく一部です。
社会復帰を望む全ての方が、希望に沿った形で社会復帰できるような世の中が、近い将来来ればいいなと思います。
障害者だけでなく、全ての方が・・・
最後までお読みいただきありがとうございました。
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